頭と身体を柔らかくするプロジェクト

コトコト煮込むように身体を
透明な追憶に浸してみる。

身体を伸ばして
虻/アブが傘に止まっているのを観察する。
虻/アブは蠅/ハエにも蜂/ハチにも似ている。
頭と頭を何処まで近づけれるか。

大きく実った柿が目の前にぶら下がる。手を伸ばせばもぎ取れる柿を、もぎ取りたいのを堪えてただ見つめ、中身の熟し具合を想像する。

とろりと甘い汁が背中の芯を通って
下へ下へと落ちていく。

雨粒がトタンを打つ。ぽつぽつと、ばかばかと、音は芯に迫って来る。
部屋の中にいれば何にも無いのに外の濡れたアスファルトとその上に溜まる雨が跳ね返って靴下を濡らす心地がする。

首筋が ぬるりとする。

乾いた焼き菓子を、頬張る。


2012.11.13.1:14