透明な壁3

私にとっての原風景、ってやっぱり、これです。
この、レースの暖簾越しに、毎晩、ステージで繰り広げられる、
ショーを見てたんですね。

透明な壁。透過する風景。
伸ばせば手が届く距離なのに、眼前に境界が在り、
暗黙の了解でその先に行ってはいけないとわかっていること。
近くて、遠い、距離感。
境界越しに、その奥を見つめる 感覚。
それが、現実のような夢のような、どちらともつかない
白昼夢のような浮遊感を生み出す。

鋭さのない現実。
斑のある夢。